諏方大明神畫詞

諏訪大社のことについて書かれた資料と言えば、足利尊氏らの活躍した延文元(1356) 年に尊氏の秘書で、幕府の要職にあった諏訪神社の神官、小坂円忠によって作られた『諏方大明神畫詞(画詞)』という絵巻物がある。 現在は所在不明で、詞書(ことばがき・文章)部分だけが写本として伝わっている。写本も現在確認されているのは4冊だけで、うち2冊を諏訪市博物館が保管している。
 この画を再生しようと試みたのがこの10 枚の扇面である。 時代考証にかなりの時間を割いての作業は、 楽しくもあり、また苦しくもあったと思われる。