はじめての海外旅行で、何と15時間の長旅だったが窓外の美しさに寝るのも忘れて見入った。 眼下には延々と続く白い大地と、ツンドラ地帯特有の蛇行川が見える。 ウィーンへの直通便がないので、一旦ロンドンのヒースロー空港へ、待合所で三時間を歌って過ごした。 ウィーンに着いて早速、市内で最も格式の高いカール教会へ向かう。 大理石のひんやりとした教会内、クリスマス週間第一週のミサが開かれる。その聖歌隊としてここで歌うことが出来る。 大きなパイプオルガンの脇で、緊張しながらもドームの響きに感動しながら歌った。 ウィーン楽友協会ホールといえば、正月のウィーンフィルによるニューイヤーコンサートが開かれる会場だが、小ホールとはいえ、同じ建物内にあるホールで、姉妹提携の記念コンサートが開かれる! 正面玄関のポスター掲示板の前で記念撮影。 ホール主催の金地黒文字のポスターのなかに、合唱演奏会、岡谷合唱団、指揮:関屋晋の文字が読み取れた。 調印式の行われる部屋の壁には、ウィーンで活躍した音楽家の肖像画がたくさん飾ってある。おもわず関屋先生と記念撮影をした。 いよいよ調印式が始まる。中央に馬淵さん、小松さん、関屋先生が緊張して開式を待つ。 始めにホルスト・ハーシェック楽友協会会長が挨拶をした。 ウィーン側ハーシェック会長、長野側内山館長両者によるサインが交わされた。 提携文書交換後に両者の強い握手が交わされた。                           姉妹提携調印文書 ウィーン楽友協会小ホール《ブラームスザール》で調印記念コンサートが開かれた。 割れんばかりの拍手の中、何曲もアンコールは続いた。 コンサート後に楽友協会合唱団との懇親会が開かれた。 ウィーン中央墓地のヴェートーベンの墓前で。 クリスマス週間の夜の県庁前広場。 ヴェートーベンが遺書を書いたとされるハイリゲンシュタットのベートーヴェンハウス前。 ヴェートーベンが使用したピアノフォルテ。 市役所前の出店で売られているイルミネーション玉の数々。 これからウィーン西駅からブダペストに行くため、全員ホテル前に集合。

ウィーン楽友協会での姉妹提携調印記念演奏会のことは、関屋晋先生のメッセージに述べられているので、そのまま掲載させていただく。

ウィーン・岡谷合唱団そして私  常任指揮者  関屋 晋

 
 岡谷合唱団が長野県の使節合唱団として行ったウィーン楽友協会。ブラームス・ザールでの演奏会は感激だった。以前にもコンクールの入賞式演奏を大ホールでやったりしたことはあったが、何しろウィーンは私の第2の故郷と言ってるくらい訪れた回数も多く、大好きな町だが、演奏会ははじめてだった。音楽の都で客は入るんだろうか。私はそんな心配ばかりしていた。なのに岡谷の連中はノンキ。朝の食事から、牛乳がなくなったのでお替わり、ジュースがない。ハム・ソーセージがなくなったと大ぎ。お腹を壊したらと言う私の心配なんか、どこ吹く風と食べまくり、ニコニコしていた。
 そしてお客も入りました、一杯。ステージに出ていった時の幸福感。1曲毎、ステージ毎の拍手のスゴサ!あれは忘れられない。いい会場、いいお客がいい演奏を生むことを実感した。大使館の担当官が「これからは文化の時代です。お互いの文化を知り合うことが大事です」と言ってくれたのが、非常に嬉しかった。最近、やっと文化が言われだしてきて、感慨を新たにしている。