眼下には延々と白い大地と、ツンドラ地帯特有の蛇行川が見える。 これからこの教会のクリスマス週間第一週のミサが開かれる。その聖歌隊としてここで歌う事ができる。 ウィーン楽友協会ホールといえば、お正月のウィーンフィルによるニューイヤーコンサートが行われるところ。小ホールとはいえその同じホールで姉妹提携のコンサートが開かれるという夢が間もなく現実のものとなる! ホール前の掲示板に、楽友協会主催を示す金色のポスターの中に「合唱演奏会」岡谷合唱団、指揮:関屋晋の1枚を見つけ大騒ぎとなる。 調印式の行われる部屋の壁には、ウィーンで活躍した音楽家たちの肖像画がたくさん貼ってあり、思わず関屋先生と一緒に記念撮影をして頂いた。

      長野県民文化会館と
        ウィーン・ムジークフェラインザールとの姉妹提携
ウィーン・ブダペスト(1982年11月27日から12月6日)
海外旅行は他人事と思っていたが、合唱を通してそれがかなうことになった。
1982年(昭和57年)11月29日、長野市に出来た長野県民文化会館ホールとヨーロッパ音楽の中心にあるウィーン楽友協会ホールとの姉妹提携調印記念コンサート出演のための渡欧である。また、ハンガリー合唱連盟のご招待によるブダペスト・マティアス教会コンサートも同時に行われた。
 こんな機会はもう二度とないだろうと、重いカメラと山ほどのフィルムを持って出かけたが、仲間からは歌いに行くの?撮影班?などと冷やかされた。多くの仲間は互いに写真を取り合って記念としたが、私は初めて見るヨーロッパの空気や色などが新鮮で、その都度シャッターを切った。皆とは違った視点でヨーロッパを見てきたと云うことを後になって気づいた。